メキシコ通貨危機
メキシコ通貨危機とは、1994年に起こった出来事で、メキシコで使われている通貨のメキシコペソが急落し、通貨危機に発展したというものです。
メキシコ通貨危機の要因と通貨の切り下げ
1994年にメキシコは貿易赤字や国内の民族解放運動に苦しみ、それらによってファンド等による資金の引き上げや資金の海外逃避が起こった結果、経済破綻に陥りました。
メキシコは1994年以前にも、1982年に一度経済破綻しており、いずれも多数の失業者と急激なインフレに見舞われました。
1994年12月、固定相場制を採用していたメキシコペソは変動相場制へ移行せざるを得ず、メキシコ政府はメキシコペソの切り下げを行い変動相場制へ移行、そしてメキシコ通貨危機が起こりました。
メキシコ通貨危機によってメキシコペソは40%も下落したと言われています。
メキシコ通貨危機の終結
メキシコ通貨危機は、最終的にIMF(国際通貨基金)によって援助を受け、緊急融資によって終結しました。
その際、石油公社や電力会社などの国営化されていた事業の民営化や、貿易の自由化の強化などの条件を受け入れ、対外債務の返済能力を強化しました。
この緊急経済対策では、アメリカが約200億ドル、そしてIMF国際通貨基金が約178億ドルを融資するなど、総額500億ドル以上にのぼる巨額の景気支援策となり、そして1995年にメキシコ通貨危機は終息したと言われています。
メキシコ通貨危機は、アジアや中南米、欧州などにもその影響が波及したと言われています。
通貨の切り下げによって起こったというメキシコ通貨危機の発端や要因はアジア通貨危機と似ている部分があります。