建設支出
建設支出は、毎月の着工された建設計画の総額、つまり建物の建設費用として使用された支出で、英語でConstruction Spendingと呼ばれることもあります。
指標の発表日は毎月第一営業日に前々月分の建設支出が発表される形となっており、建設支出はそれぞれ民間、公共の区分に分けられて発表されます。
発表は米商務省センサス局という機関が行っています。
GDPに強い影響を与える建設支出
建設支出はGDPの約20%を構成する為、GDPの予想に役立つことや、特に住宅建設は耐久財の需要を直接表す統計となるので、建設費用の増減によって全体的な景気の動向も探ることができる指標です。
建設支出は、住宅建設、商業施設、公共施設と3つに区分されて発表されますが、住宅建設はアメリカGDPの3%、商業施設建設は5%、そして公共施設建設はなんと米国のGDPの11%にも上ります。その中でも民間の商業施設部門は、設備投資の先行指標と言われており、建設支出の中でも注目度の高い区分の一つです。
民間商業施設への建設支出が増大した場合、企業が設備投資を積極的に行ってくるのではないかと言う予想を立てることができます。
また、建設支出は対象となる期間から実際に指標として発表に至るまでの期間が比較的長い為、他の様々な経済指標を参考にしながら建設支出の結果を予想するということも可能です。
注意点としては、建設支出は大型受注などによって大きく左右され、一時的に建設支出が増大するような動きが見られることです。
指標を見る際は、建設支出の総額ではなく、前回の結果に対してどれだけ支出が増えたのか減ったのかということが為替市場での注目になります。
また、アメリカのGDPの内20%を占めているということからも、アメリカは住宅や建設における依存度が比較的高い国であるということが伺えます。
08年現在では、業界の低迷が続いており、商業建設部門の指標は堅調ですが、民間住宅部門の落ち込みが長期に渡って続いている状態です。
他にも現在米国で問題となっているサブプライムローン問題によって、住宅市場の縮小も余儀なくされている為、まだまだ低迷は続くのではないかとの見方が強いようです。